【書評】「ほったらかし投資術」は資産形成入門におすすめ

投資・資産運用
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経済評論家の山崎元さんと、ブログ「梅屋敷商店街ののランダム・ウォーカー」の水瀬ケンイチさんの共著「ほったらかし投資術」のご紹介です。

  • 老後のために資産形成したいけど、どうしたらいいのかわからない
  • なるべく手間も時間もかからない資産形成方法が知りたい
  • 資産運用時の心がまえを知りたい

という方におすすめです。

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これから資産形成を始めたい投資未経験者おすすめ

投資の専門家である山崎元さんとインデックス投資の長期実践者である水瀬ケンイチさんとのタッグということで、2つの視点で資産形成をどうすべきかということについて書かれています。

インデックス投資の基本的な考え方や実践はこれ一冊でも十分勉強できます。資産形成をこれから始めるという方や、インデックス投資の意味を正しく理解したいという方におすすめです。

資産形成を始めようとしたときに必ず疑問になる以下の点について、一つの答えが見つかると思います。

  • いくら貯めれば資産形成を始められるのか
  • どうやって資産形成を始めたらいいのか
  • どこの証券会社で買えばいいのか
  • 何を買うべきか
  • 資産配分をどうすべきか
  • DC(確定拠出年金)、NISAはどう利用すればいいか
  • 買ったあとの運用はどうすればよいか

この本が特に良い点は、専門家の解説と実践者の実際の運用という2つの視点で書かれていることです。

正確にはこうしたほうがいいんだけど、実践的にはこっちのほうがいいというような、理論を理解した上で実践的な方法を学べます。

インデックス投資の長所

本書でおすすめしているのはインデックス投資です。インデックス投資とは、日経平均やTOPIX、S&P500、ダウ平均のような株価指数(インデックス)と同じ値動きを目指す投資方法です。

また、アクティブ運用とは、運用者が売買を決めてインデックスを上回る成績を目指すものです。インデックス運用はアクティブ運用と比べて以下のメリットがあります。

インデックス投資の長所
  • 手数料が安い
  • わかりやすい
  • 負けにくい
  • 手間がかからない

歴史的に見て、インデックス運用は長期的に7割以上アクティブ運用に勝っており、比較的無難な方法だと思います。

インデックス投資の短所

インデックス投資は投資方法として優れていますが、短所として投資自体に楽しみが少ないことがあります。つまり投資を「ゲーム」として捉えるとつまらないのです。

インデックス投資の短所
  • 成果がすぐに見えない
  • お金が増えるのに時間がかかる
  • 基本やることがないので退屈

良い商品を選んで良い投資手法を続けても、結果が出るのが数年から数十年後で、その間ほとんど何もすることがないのです。

個別株でのアクティブ運用や、FXなどの投機(タイミングをみて売買する手法)では、自分の選択に対して結果がすぐにわかります。投資自体を楽しみたいかどうかで、好みが分かれるところではあります。

また、当たり前ではありますがインデックス投資だからといって、損しないと考えないほうがよいです。あくまでも他の投資方法と比べて負けにくいだけで、暴落が起きれば普通に損します。

ほったらかしを続けるのは実は難しい

前述の通りインデックス投資では、運用中はほとんど何もしなくて良いというメリットがあり、本書のテーマでもあります。

一方で、実践者からすると実はほったらかしにするのは心理的に難しいです。

つまり、ほったらかしというのはある意味で、「何があっても株を持ち続ける」という「ホールド力」を試されることになります。

株価の暴落や急騰、先行き不透明な経済不安を煽るニュースなどがあるたびに、気になって売ろうかどうか迷うはずです。

本書にはこのような運用中の心構えや注意点についても記載されており、勉強になります。

私は、以下のような気持ちで続けようと思っています。

  • なくなったら困るお金は運用しない
  • 投資したお金は、もう自分のものではないと考える
  • 積立を自動化して投資のことは忘れる。株価を見ない(Set & Forget)

2019年現在までのアップデート

この本が出版されたのは2015年ですが、2019年までの4年間で業界も変化がありました。その一部をご紹介します。

手数料の値下げ

インデックスファンドのコストの値下げが続いています。例えば、ニッセイ外国株式インデックスファンドは2015年当時、信託報酬が年率0.39%でしたが、2019年現在で年率0.09%です。

コストが4年間で約4分の1にまで下がっています。これは素直に喜ばしいことですね。

現在は、日本で普通にインデックス投資を続ける環境が整っていると思います。

ロボットアドバイザーの登場

WealthNaviなど、機械的にインデックス投資を一任できるサービスもでてきています。

ただし、現時点ではロボットアドバイザーは手数料が1%前後と高いものが多く、長期的な運用には向いていないと考えています。

一方で、投資を始める際の手間としては一番少ないので、最初のステップとして数ヶ月間ロボットアドバイザーを使ってみるというのはおすすめです。

また、手数料無料でインデックス投資の運用をほぼ自動化できる松井証券の投信工房というサービスも登場しており、今後が楽しみな分野です。

まとめ

比較的無難な資産形成をしたい方には、インデックス投資がおすすめです。

投資を始めるまでの一苦労を乗り越える、投資を始めたあとの不安を乗り越えるために参考になりますので、興味がある方は「ほったらかし投資術」を読んでみてはいかがでしょうか。

また、以前紹介した「お金は寝かせて増やしなさい」とテーマが似ていますので、よろしければこちらの書評も合わせてご覧ください。

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