本多静六さんの「私の財産告白」という本をご紹介します。
戦前から戦後にかけて、大学教員をしながら資産形成に成功された方で、その生き方については我々現代人にも参考になることが多いです。
個人投資家界隈では、資産形成の古典とも言われており、一読の価値があると思います。
誰でも確かな財産を築く方法
「誰でも確かな財産を築く方法」というキャッチコピーの通り、会社員や公務員として働きながらも、豊かになるための方法を知りたい人におすすめです。
実際にやろうと思えば一部は真似できる方法です。全部やるのは「言うは易し行うは難し」かもしれませんが、豊かになるための方法として、参考になる内容が多いと思います。
こんなことが知りたい方におすすめです。
ためになった考え方
お金との付き合い方について、たくさんの名言があるのですが、そこから私が良いなと思った箇所を一部ご紹介します。
貧乏をやっつける
考え方として、人生の先に貧乏を経験するか、後から経験するか、自発的に選ぶということです。人生を自分でコントロールするんだという意志を持つことが重要なのだと感じました。一部を引用します。
貧乏に強いられてやむを得ず生活をつめるのではなく、自発的、積極的に勤倹貯蓄をつとめて、逆に貧乏を圧倒するのでなければならぬ
本多静六, 私の財産告白
「四分の一」天引貯金法
いわゆる先取り貯金です。余ったお金を貯金するのではなく、先に四分の一を貯金してしまうという方法です。先に25%を貯金し、余った75%のお金で生活していくことで、半強制的に貯蓄ができます。また、臨時収入はすべて貯蓄に回していたそうです。
ホンの一回、最初の出発において、何人も先ず四分の一の生活切下げを断行して下さい。ただそれだけですむのである。何事も中途でやり直すことはむずかしい。最初から決めてかかるのが一番楽で、一番効果的である。
本多静六, 私の財産告白
見栄を張らない
貯金生活において、一番の障害は虚栄心であると説かれています。
人より優れていたい、自分は特別だという意識で見栄をはってお金を使っていては、いくらあっても足りませんよね。
まず家計簿をつける
貯金を作るためには、まず家計簿をつけることが大切だと説かれています。
貯金しないことには始まらない
富を築くためには、最初は貯金から始まります。そこから資産を大きくしていくわけなので、貯金を作らなければどうしようもありませんよね。
なんでも働けるだけ働きぬく
本多静六さんは本業の合間に、毎日書籍を1ページ書き続けたそうです。貯金とアルバイトで「雪だるまの芯」を作るために、本業以外にもできるだけ働くことを薦めています。
投資の成功には、焦らず、怠らず、時が来るのを待つ
ただ貯金を継続するのではなく、雪だるまの芯を大きくするために投資が必要であることを説かれています。
また、山林などの不動産によって成功した経験が書かれています。
現代とは事情が異なりますが、考え方は参考になると思います。
倹約してもケチになるな
節約とケチの違いについて、節倹と吝嗇(りんしょく)という言葉を用いて以下のように説かれています。お金があっても心が貧しければ悲しいですよね。
「倹約と吝嗇は水仙と葱 」ということわざもありますね。
倹約とけちは、水仙と葱のように見た目は似ているが、実はまったく違うということ。
ことわざ辞典オンライン
現代での実践方法
現在は便利なサービスやツールがたくさんあり、しかも無料で使えるものも多いため、実践のハードルは下がっていると思います。
私も使っているおすすめのサービスを紹介しますので、もし興味があれば試してみるのも良いと思います。
家計簿の自動化
マネーフォワードを使って自動化しています。私は家計簿が苦手で、ざっくりとしか把握していませんが、なるべくカードやキャッシュレス払いにすることで、大まかな流れはつかめます。
家計簿は、もはや時間をかけて作るものではなくなっていますね。
先取り貯金・投資の自動化
以下の方法を使って、貯金や投資を自動化しています。特に楽天カードでの積立は、ポイントが貯まるためおすすめです。
インデックス投資
売買のタイミングを見極める必要がないという面では、インデックス投資は当時の投資方法より優れていると思います。私含め、投資の凡人にとってはありがたいですね。確定拠出年金や、つみたてNISAなど、税制優遇制度も利用できます。
もちろん、うまく投資できる場合はそうした方法を取るのが良いと思います。
まとめ
会社員や公務員でも「稼ぐ、貯める、殖やす」を上手く行うことで豊かになれる可能性があることを示している本でした。
また、豊かになるためのヒントは以下でした。
- 稼ぐ:本職以外でも働く
- 貯める:倹約し、収入の四分の一を貯金する
- 殖やす:うまく投資する
特別な方法ではありませんが、このような毎日の積み重ねが大切なのですね。
今日もコツコツ生きようと思います。