2019/7/6に行われた「インデックス投資ナイト」に初めて参加してきましたので、会場の様子や個人的に気づきを得たことについて、私なりにまとめてみます。
感想をひとことで言うと、熱く暖かい催しでした。
個人投資家の熱気、熱意をむんむんに感じる中で、みんな楽しもうぜ!というノリで、懇親会ではお互い自己紹介から投資歴だったり、投資方針を話しあったり、新しい出会いや非日常を楽しむ会という印象でした。
投資初心者だろうがベテランだろうが関係なく、ここの人はみんな仲間という暖かさを感じ、オフ会やパーティが苦手な私でも楽しめました。
概要
場所・日時
場所は渋谷にある東京カルチャーカルチャーでした。駅から距離は近いですが、渋谷は人が多いこともあり、歩くのもままならず結構時間がかかりました。キャパシティは最大250人ほどで、満席でした。
2019/7/6 17時開場、18時開始で、18時~20時30分ころまで講演や対談を聞き、その後に懇親会が22時ころまでありました。
スタイル
イベントでは、参加者がそれぞれテーブルに付いて飲食しながら講演を聞くスタイルで、1ドリンクサービス+1オーダー必須でした。懇親会は、席を自由に移動可能で、飲食はフリードリンク、フードはビュッフェスタイルでした。
準備~会場到着まで

どうでもいいことですが渋谷駅から会場に向かう途中に、高架橋の下でアトムのグラフィティを発見しました!都会の落書きはクオリティが高いですね。
Googleマップをみながら東京カルチャーカルチャーに到着したところ、入り口に山崎元さんがいました!私含む個人投資家の師匠といっても過言ではないお方です。
人見知りなので、「こんにちは…」とだけご挨拶しました。日頃から書籍も読ませていただいて、お世話になっているので、感謝をお伝えできればよかったです。

さて、17時過ぎに会場入りしたのですが、すでに会場には人がたくさんおりました。入り口で受付を済ませ、全席自由とのことで、後ろの方の席を確保しました。
すでに、顔見知りの方々も多いのか、いくつかのテーブルではワイワイ盛り上がっている様子でした。私は、空いているテーブルにつき、名札や名刺を用意したり、周りの様子を伺っておりました。
前日に仕入れたスシローのだっこずしのカードケースを名札として用意し、Twitterで告知していました。

実は恥ずかしさをこらえながらつけていました(笑)。これを目印に私を見つけていただいた方もいらっしゃったので、人見知りの対策として使えたので、結果的にOKです。
客層は男性が多めで30~40代がボリュームゾーンだと思います。女性も2割ほどいて、老若男女色々な方々が参加しており、参加するのに特別な知識や能力も必要なく、敷居は低いと思います。
開場~開演まで
開演まで時間があったので、緊張しながらも、同席された60代の男性とお話をしました。投資を始めたきっかけや、インデックス投資ナイトに参加したきっかけについて話をお聞きしました。
2011年の東北大地震で、この国はもうだめになるのではないかと思い、なくなっても良いお金で日本を救う気持ちで株を買われたそうです。それがうまくいったので、今も投資にハマっているとのこと。
引退後は毎日たくさんブログを読まれているそうです。投資やブログについて、とても楽しそうにお話されていて、こちらも元気が出ました。
その後、同席された方とのご挨拶や、いくつかのテーブルを周り、名刺交換をさせていただきました。このインベントのために遠方から来られている方(北海道からの方も!)もおり、熱意を感じました。
名刺と一緒にチョコもお配りしたら、思いの外喜ばれたので、こちらもうれしかったです。中にはTwitterやブログを読んでますという方もおられ、感動しました。
第1部【 インデックス投資の生みの親 John C. Bogle氏追悼 】
イーノ・ジュンイチさんの司会で、今年の1月に亡くなられたジョン・ボーグル氏の追悼ということで、ボーグル氏にまつわるお話を聞きました。
塚本俊太郎さん(バンガード・インベストメンツ・ジャパン 投資戦略部長)
ボーグル氏の生い立ちやバンガードの歴史について、お話をお聞きしました。バンガードが戦艦の名前だったことや、ボーグル氏が投資家のためを思って信念を貫いた方だったことなど。
現在もバンガードにはボーグル氏の信念が受け継がれており、顧客(投資家)本位で運営されているそうです。
今井利友さん(総務企画局 政策課 総合政策室 金融税制調整官)
金融庁がつみたてNISAを作るにあたって、ボーグル氏の思想に影響を受けているというお話でした。
バンガードでしか使われていない指数を、今井さんがつみたてNISA対象の指数のリストの中にこっそり忍ばしたとのこと。具体的には、以下の指数です。
- FTSE Global All Cap Index(全世界の株式 VT)
- CRSP U.S. Total Market Index(アメリカの全株式 VTI)
我々が楽天VTや楽天VTIをつみたてNISAで購入できるようになったのは、今井さんのおかげだったのですね。
田村正之さん(日本経済新聞社 編集委員兼紙面解説委員)
日本におけるインデックスファンドの歴史についてお話されていました。昔の日本はアクティブファンドが中心で、証券会社のインデックスファンド担当者は肩身が狭かったそうです。
そんななかで、投資家とWIN-WINな関係になりたい、バンガードみたいになりたいというような思いを持つ方もいらっしゃったそうです。
現在は、つみたてNISAの影響もあり、手数料の安いファンドが増えてきて、少しずつでもバンガードに近づいていければいいなという思いになってきているということだそうです。
また、日本ではインデックス投資の普及が遅れているというお話もありました。
日本ではインデックスファンドの資産残高は ETF込みだと右肩上がりになっているのですが、実はETFは日銀が8割持っているそうで、残りも機関投資家が持っている部分が多いそうです。ETFを抜くと資産残高は18%程度でほぼ横ばいだそうです。
さらに、アクティブファンドの過去10年間の成績と、その後の10年間の成績の相関を示すグラフを提示され、過去の成績と未来の成績に相関はないことを示されました。
インデックスファンドでも過去10年うまくいったからといって、今後そこに投資するのはどうなのかということは、今一度考えたほうがよいかもしれませんね。
水瀬ケンイチさん
水瀬さんが米国バンガードへの訪問した時の思い出の写真とともに、ボーグルの名言を紹介されていました。
私の印象に残ったのは、以下の名言です。
- お金はゴールではなく、ゴール達成の手段
- 健全な長期投資にとって、直感こそが敵であり、理性こそが友である
ついつい、私も市場動向に左右されてあれやこれややろうとしてしまいますが、なぜ投資をやっているのかという目的に立ち返り、身が引き締まる思いです。
第2部【 投信ブロガー座談会 「若手投信ブロガーさん、集まれ!!」】
登壇者の方々の自己紹介から、投資やブログをやってよかったこと、大変なこと、家庭(奥様)での投資の関わり方など、様々な質問がされていました。登壇者は以下の方々です。
- シオイ氏(ブログ名:お気楽インデックス投資ジャーニー)
- 青井ノボル氏(ブログ名:インデックス投資で長期縦走へ)
- 柴崎シュンスケ氏(ブログ名:インデックス投資で長期航海)
- ザリガニ氏(ブログ名:ザリガニの米国株と資産運用の日記)
- カン・チュンド氏(司会:しんようFPオフィス)
また、対談の最後にカンさんが以下のような名言を残されていました。
まさに、インデックス投資ナイトの現場にいらっしゃった方々や、ブロガーの方々が日本の投資環境に影響を与えているというのは事実だということですね。
確かに、 金融機関はブロガーの投票で選ぶファンドの人気ランキング(Fund of the Year)を明らかに意識していますよね。私も今年投票してみたいと思います。
第3部【 ゲスト座談会 「なぜインデックス投資は広まらないのか?日本のインデックス投資の未来」】
普段から、ロボアドバイザーは手数料が高すぎてダメだと批判的な立場の山崎さんと、ロボアドバイザー界の重鎮である柴山さんとの対談ということで、ある意味非常に楽しみしていた対談でした。
登壇者は以下の方々です。
- 山崎元氏(経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員)
- 柴山和久氏(ウェルスナビ代表取締役)
- 虫とり小僧氏(ブロガー:いつか子供に伝えたいお金の話)
- ASK氏(司会)
以下は、それぞれのお話で心に残ったことです。
投資信託は売り手の論理(販売手数料の高さ)で売られてきたが、バカな買い物をしていることをストレートに伝えたほうがいいのではないか。
インデックス投資が当たり前の世界にしたい。インデックス投資は広まれば広まるほどよい。投資家が乗るボートが大きくなればなるほど、持続可能性やメリットが大きくなる。
山崎さんは「教えれば誰でも投資ができるようになる」という考えなので、良心的。僕は「人間はバカだから、ほどほどにできればいいんじゃないか」というスタンス。
柴山さんは特に明言されておりませんでしたが、著書の中で「人間は投資に向いていない」と言われております。皆さんスタンスの違いはあれど、インデックス投資が広まって欲しいという強い思いがあり、最後は和やかに握手をして終了となりました。
その後は登壇者全員の撮影でした。みなさんいい笑顔です。

勉強になったこと
第三部の対談から、投資家は「人間(自分)は投資を理解し、合理的に行動できるか」という命題について、自分なりの答えを持っておくことが大切だと感じました。
私は、投資の知識は本などである程度仕入れられるものの、実際の自分の判断や行動については全く自信がありません。
そのリスクをなんとか軽減できるように、積み立ての自動設定を行っています。また、投資仲間を作ろうとしているのも、単純に交流が楽しいということもありますが、投資における孤独感や暴落時の不安の軽減のためにもなっていると思います。
まだまだ修行中の身ですので、これからもじっくり投資家マインドを醸成していければと思います。
人との出会いのありがたさ
開演前の待ち時間や懇親会では、Twitterでお見かけしていた方やお世話になっていた方々にご挨拶させていただきました。
普段Twitterで交流している方々と実際にお会いできて光栄でした!
のりさん(@noriyusaku1128)、Misstyさん(@Missty_2014)、水瀬ケンイチさん(@minasek)、ひなすみさん(@hinasumihinasum)、ひめだかさん(@kotsu2life)、パーサモウニアスさん(@parsimonious_16)、おとうし医生さん(@dr_toshi_stu)、レンさん(@REN75809904)
ありがとうございました。みなさん気さくで優しい方でした。
また、 新しい出会いもたくさんありました。
今思い返すと、インデックス投資業界の超有名ブロガーやインフルエンサー、学生投資家など普段絶対会えない方々がその辺にウヨウヨいるという状況はすごいことですね。
「ブログ見てますよ」とおっしゃってくれた方もいて、感動です。気ままにやっているブログですが、今後ともよろしくおねがいします(^o^)